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「またお前?」


「森田に、提案が1つ。」


今日もまた、私は森田を呼び止めて…心底うざったそうに顔をしかめられている。


「ただ、好きでいるだけならいい?」



私と森田の関係は、言ってしまえば"知り合い"程度で…森田からしたら"通行人A"くらいのどうでも良さかもしれない。


「迷惑。」


バッサリ切り捨てるように発された言葉は薄々予想していた答え。

そうですか。ただ、想ってることすら迷惑だと言われるならば…仕方あるまい。


私の提案は、ここからだ。


「……じゃあ、雑用係はどう?」


「…は?」


私の提案に、意味不明とばかりに首を傾げる森田の眉間には相変わらずシワが寄っていて


「森田の言う事なんでも聞く。」


私の言葉に、その顔は呆れ顔へと変化した。


「……アホじゃねぇの。」


うん、プライドの塊だからね、私。本当なら絶対にこんな提案ごめんだけど、でも…森田との接点が欲しいんだもん。


言っとくけど、森田が思ってるよりもずっと私の気持ちは大きいんだから。