放課後にシュシュを買いに行った日、


『スタメンイレブンって、すごいね』なんて、何の気なしに発言した私に


『…背番号貰えるのは、すげぇ嬉しいけど、同じだけ苦労もある。』


なんて、森田のくせにやけに真面目な顔するから少し気まずくなってしまった。


私からしたら、1年前…ギプス包帯を巻いてボール磨きしてた森田を知っているからこそ、今の森田が余計すごく見えるけど。


背番号を…スタメンイレブンの呼び名を手に入れるためにどれだけ努力して来たのか、1番大事な部分を私は何一つ知らない。


だけど、森田の頭の中は常にサッカーでいっぱいで、サッカーと並べてしまえば私の順位はゲゲゲの下。


それは、分かり切ったこと。