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「ぇえ?!…森田が、欲しいの?」


「…俺じゃねぇよ。」


「でも、買いたいんでしょ?…誰かにあげるの?」


「関係ねぇだろ。とにかく選んでくれればいいから。」



放課後、大型ショッピングモールの中にある、髪飾りやシュシュ、ピアスにネックレス等が所狭しと並ぶ可愛らしい店に来ている。


そう、あの森田と。


シュシュが欲しいらしい森田に、その使い道を聞いても教えてもらえず…


せっかく浮かれてたのに…もしかして好きな子にプレゼント?

なんて、一気に気分は下がる。


「…ん〜…あ、こんなのは?可愛い!」


でも、雑用係ですから。
仕事はきっちりしなくては、と私の持てる限りのセンスでシュシュを選ぶ。



「俺に聞かれても分かんねぇ。」


「えー、何それ。これ、可愛いよ?」


私の手元にあるそれは、大きなリボンのシュシュ。しなやかな生地感がエレガントで、高級感もあるのに…大人過ぎなくて可愛いって言うか…。


って、完璧 私の趣味だ。


「じゃあ、それにする。」


「え?…これでいいの?」


「だって、可愛いんだろ?それ。」


「うん、私的には…すごく。」


「なら、これでいい。買ってくる。」


「…あ、うん……はい。」



いざ、森田があれにする!と決めてしまえば…本当にあれでいいのか?もっといい物があるかも!…なんて考えてしまうけれど


森田が…いいなら、いっか。