「あ、チビ。」


"それじゃ"と、くるり背中を向けた私は、ワイシャツの背中の部分を思いっきり引っ張られて海老反り。


「ゔ…っチビじゃない…。」


やっとの事で出した私の声に、森田はクスッと笑う。


「じゃあ、ポチにする?」


「あーっもう!用件は?」


"チビ"だろうと、"ポチ"だろうと、もはや人間じゃないじゃんか!


気づいた時には"チビ"って呼ぶようになってて、名前で呼ばれたことなんて1度もない。


……いや、もはや名前を覚えてくれてるかすら謎。



「今日、部活 休みだから、放課後 付き合え。」