数分後、兄ちゃんは怠そうに迎えに来てくれた。 「さっさと帰るぞ。」 「うん。」 兄ちゃんの後ろを歩く。 「お前、後悔してないんだろ?」 「え?」 「増永くんに気持ち伝えたこと。」 「うん、それは。」 「だったらそんな顔すんな。調子狂う。」 「ごめん。」 「お前が今悩むべきことは受験のことであって、色恋ではない。帰ってすぐ勉強だ。」 「うざ。」 「しね。」