野上明希、高校1年生。 「…はあ。」 窓の外の雨を眺めてため息ひとつ。 今日は6月21日。私の誕生日。 私が最も嫌いな日。 「明希!今日誕生日じゃん!おめでとう!」 「…ありがとう。」 友達からの言葉に笑顔を作る。 だけど、私はお祝いされるべき人間ではない。 私の誕生日である今日は、兄の命日でもある。 兄は私のせいで死んだのだ。