「無難の何が悪い。君は人を喜ばせる天才だな。普通の天才だ。」 「普通の天才って…」 「君は他人の個性を羨んでいるみたいだが、もっと自分の才能を認めるべきだ。」 「え?」 「他人のことはきちんと見てるのに、自分のことは見えていない。もったいないな。他人より自分を大事にしなよ。」 「…」 樋口くんこそ人をちゃんと見てる。 良くも悪くもこの人は真っ直ぐだ。 残酷さも優しさも、真っ直ぐだ。