大切な人へ



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ガチャッ...

玄関のカギを開ける音にはっと時計を見る
もう母親が帰ってくる時間になってた

「ただいま お客さん?」

「うん。友達が風邪でふらふらだったから寝かせてる」

もう結構時間もたってたし様子を見に行った


部屋ではまだ寝息が聞こえてた

でも顔色は少しはましになった気がする




「おい...起きれるか?」

ゆっくり目が開く...



『...あれ 井川くん? ごめん寝てた?』

やっぱり本人は熟睡か...


夕食食べていけって言っても断り続けるから

母親に車で送ってやってほしいってお願いした


ふらふらのくせに母親にも丁寧に挨拶をして断るから2人で無理やり車に押し込んで送った


「可愛い子ね?彼女じゃないの?」

「違う。クラスが一緒なんだってあいつも言ってただろ?」

「お母さんはあの子好きだな!いい子でしょ」

「...あぁ」



明るくそう言った母親の言葉にうまく返せない



アキトってやつが好きなんだ...

夏に言ってた好きな人ってやつかな

彼氏できたとか言ってなかったけどあれは...



あの時のあいつの顔が頭を離れない

幸せそうに握ってた手は

だれの手だったんだろう