今は、仲良し兄弟だけど~いつか必ず、告白するから!





(待っててね、瑞希お兄ちゃーん♪)






ルンルン気分で、スキップしながら歩く。







コァーン!


「りーん!」

「え?」





フェリチータの側まで来た時、バイクの音と人の声がした。






「カンナさん!?」

「よぉ、ご機嫌そうだな、凛?」





パインクの単車にまたがり、半ヘルメットを直しながら言うのは友達のカンナさんだった。

笑顔の彼女に、私も笑顔で駆け寄る。



「カンナさーん、久しぶり~!」

「おう!元気してるか、凛?さらわれてねぇ?」

「大丈夫です!僕は人間レンタル、受けませんから!」

「なんかあったっぽい発言だな、オイ!?」



私の言葉に、カンナさんがするどくツッコむ。

そんな彼女に、にこやかに答える。



「話すと長くはなるんですけどね~」

「そんな気がするわ。ヒマそうに見えて、忙しいのな、お前は~?まぁいいや!なぁ凛、今ヒマだろう?遊ばねぇ!」

「わぁ~いいですね!瑞希お兄ちゃんとの時間を過ごした後で、カンナさんと遊ぶのも!」

「真田先輩優先かよ!?じゃあ、今夜はオールで走ろうぜ!あたしの単車、百鬼先輩のところでモーター変えたばっかで調子いいんだぜ?」

「え?今夜、オール?」

「ああ。都合悪いのか?」



徹夜をしようというカンナさんに、私は正直に伝えた。





「ごめん、カンナさん・・・・僕、夜は・・・用事があるんだ・・・」




そうなんです。

よりによって今日は、決戦の・・・・・・合コンの日。





(ますみちゃんという小悪魔と戦う日なのよね・・・・)




「用事?」

「うん、今夜はダメなんです。」





本当は夕方からだけど、念のため夜からだと言う。

それに彼女は眉を吊り上げる。



「はあ?オメーも駄目?」

「え?『オメーも』って?」

「なんかよー大河も秀も悠斗まで、忙しいって言いやがってよ!」

「あ、そうなんだ・・・」



それはそのはずでしょう。



(私と一緒に、合コンに参加するんだもんね・・・)




本来なら、夜市でつかれた体を十分休めたら、瑞希お兄ちゃんの姿を見てリラックスするところだけど。





(ヤマトが・・・・・・ますみちゃんの友達に一目惚れしたから、その恋を応援するために、合コンするんだよね・・・)




戦力外と言われながらも、助けてあげた女子高生。


『強かった』と見直され、感謝するだけならいいけど・・・







(なぜ、告白をしに来た・・・・・・?)








お礼を言いに来たならわかるけど。






(私を好きって、なに?)





それも『恋愛』の意味での好き。


異性として愛してますって・・・・。






(彼氏になってとか、冗談じゃないわよ・・・!)



〔★恩をあだっで返された気分だ★〕