「笑ったな」


突っ込まれた水沢くんは、顔を赤くし、怒ったように眉を吊り上げた。


「ところであんた、体はどうなったの」

「ん?」

「異常に痩せてたし、出血してたし、保健室の常連みたいだったし。何かの病気なの」


ぶっきらぼうに聞かれて、急に心が冷静に戻った。

そうか。それを説明しなきゃならないのか。


「胃とか腸とかが、原因不明の炎症を繰り返す病気だったの。でも水沢くんが保健室に運んでくれたあの日の夜に今までと違う治療をしたら、不思議と治ったの」


本当は点滴しかしていないけど。

他の人にした説明と相違点が出ないよう、気をつけて言葉を選ぶ。


「治ったって……完治?」

「そう」

「今まで治せなかった病気が、一度の治療で完治。ちょっと考えられない」


ぎくっ。

この人、鋭い。

友達はみんな、あっさり納得して喜んでくれたのに。