次の日。


「広瀬さん。俺と付き合ってください」


朝学校に来たら、机の中にメモが入っていた。

そこには“放課後に体育館裏にきてください”と書かれていたので、まさかと思いつつ、こっそりと来てみた。

そこにいたのは、隣のクラスの人……だと思う。名前はわからないけど、見たことある……だった。

髪が短く、日に焼けていて、肩幅が広い。

野球部なのかな?

中学生みたいな顔で、体だけ大きくなってしまったようなアンバランスさを感じる。


「ど、どうして」


話したこともないのに、なぜいきなり?

告白なんてされるのは初めてなので、彼に対する好意はなくとも、ドキドキしてしまう。


「か、可愛いと思って……す、好きなんだ」


可愛いから好き……。


「中身はお互いにこれから知ればいいと思って」


相手はそう言う。

なるほど、そういう考え方もあるか。

好きでなくともとりあえず付き合ってみて、それから好きになればいいと。