「おーい、席につけ。って、お前誰だ?」
チャイムと共に教室に入ってきた担任の声で、その場が笑いに包まれた。
こうして、私の最後の二か月は明るく幕を上げたのだった。
普通に授業を受けられる。
二段のお弁当を平らげても、お腹はびくともしない。
運動はやっぱり苦手だけど、初めて体育の授業を楽しいと思えた。
だって、体が軽い。前みたいにすぐ息切れしたりしないし、自分の体が思い通りに動くなんて最高。
いつもいつも面倒臭いと思っていたけど、実際面倒臭いこともあるけど、普通に毎日学校に来られるのって、すごいことだったんだなあ。
帰りはサツキたちと久しぶりのファーストフード店に行くことに。
ちょっとドキドキしながら、闘病中は絶対に食べなかったハンバーガーとポテトのセットを注文してみた。
「お、おいしい~!」
油と糖質が普通の体にもあんまり良くないとはわかっているけど、おいしいものはおいしい。
糖尿病のリスクが上がるからってなんなの。
そんなもの発症する前に寿命が終わるからいいんだ!



