二人に押されて前に出た私を見て、私よりあとに教室に入ってきたらしいヒトミは目をまん丸くして、そのまま黙ってしまう。
や、やっぱりこんな短期間にこんなに変わったらおかしく思うよね。
太っただけじゃなくて顔にできていたニキビも消えたし、目が見えるからメガネもなくなったし、栄養が足りなくてバサバサだったロングの髪も、毛先までつやつやになっている。
何か突っ込まれるかとビクビクしていると、サツキの目から突然、大粒の涙が溢れだした。
「ど、どうしたの?」
今度はこっちが驚く番だった。
「瑞穂ぉ……」
「うん」
「良かったね、本当に……急にこんなに元気になるなんて、信じられない。嬉しいよ。本当に良かった……」
ヒトミが真っ赤な顔で泣くので、思わずこっちももらい泣きしてしまいそうになる。
この前は庇ってくれたのに、余計な事をするだなんて思ってごめんね。
ヒトミは真剣に、私のことを心配してくれていたんだね。



