それを愛だというのなら



去年は素通りした美術部や書道部の作品を見るのは、意外に面白かった。中には、同い年くらいでこんなすごい作品ができるのか、と感動するものもあった。

特に長い時間いることができたのは、写真部の展示コーナーだった。

青い空やピンクの花など、綺麗な風景を収めた写真。お祭りでおみこしを担ぐ子供たち。無垢な子猫の寝顔は、いくら見ていても飽きなかった。

一方、鉄道の写真とか新幹線の写真、おしゃれすぎるパンケーキの写真などは私の興味を引くことはなかった。申し訳ないけど。

お腹が空いたので、調理部の出していたうどんを買って二人で食べながら、そのことを健斗に話してみた。すると。


「生きてるものとそうじゃないものの違いかな。瑞穂は生命力を感じられる作品が好きなのかもね」


そうかも。難しいことはわからないけど、健斗がそう言うならそうなんだろう。


「じゃあ魔女子さん、悪いけど俺、王子に変身しに行かなくちゃ」