それを愛だというのなら



翌日、三日ぶりに学校に行くことにした。

気分は最悪だったけれど、悩むことがひとつなくなった。これで良かったんだ。


「死神くん、私やっぱり生きる」


そう決めたのは、昨夜のこと。

生きたくても生きられなかったまどかさん。

彼女を失った健斗や、家族の悲しみ。

あんなものを目の当たりにして、自分勝手に死ぬ気にはなれなかった。


「いいのか。つらい闘病生活が続くことになるぞ」


ベッドの横で、死神くんはそう言った。


「仕方ないじゃない」


仕方ない。私はこの世に産まれちゃったんだもの。

どんなに辛くたって、生きられるうちは頑張って生きるしかないじゃない。


「死神くんが前に言っていたように、画期的な新薬ができることを祈るよ」


後悔しないように、勉強もして、進学も就職も、できるかわからないけどトライしてみよう。

一回死んだと思えば、何だってできるような気がするしね。