小さい頃のふたり。小学生になっても中学生になっても仲良しで、まどかさんからの告白で付き合い始めたみたい。
頬を染めて恥ずかしそうに笑いあう二人は、とても幸せそうに見えた。
学校の行事。体育祭で本気で走る健斗を応援するまどかさん。
文化祭で、手を繋いで歩いていて、周りに冷やかされる二人。
土日のデートは公園で。土管の中で隠れて交わした、初めてのキス。
いつまでも一緒にいようね。そう約束したのに、ある日突然倒れてしまったまどかさん。
健斗が知らせを聞いて病院に飛んでいったときはもう遅くて、彼女は病院で眠ったまま、帰らぬ人となった。
『なんでだよ……なんでだよぉぉぉぉっ』
家族の前で泣かなかった健斗は、よろよろと病室の外に出て、一人で泣いていた。
たった一人で悲しみに耐える彼は、今にも壊れてしまいそうに見えた。
それが嘘だったように、通夜にも葬儀にも出席した健斗は、とても冷静な顔に。
ううん、泣きすぎて感情が薄れてしまったというような顔だ。



