同じ会社にいても
舞美と会う事はなかった


とにかく忙しくて、覚える事ばかり



社内にある衣装室にいるとき



青と白のグラデーションがきいた
1着のドレスに目を奪われた



一目惚れした




「梶さん!!コレいいすっね!」




「それ、マイさんのドレスだよ
マイさんがチーフに昇格した時のやつ!
マイさんの手作りだぞ!」




舞美が作ったドレスだったんだ…



ジロジロと何度見ても綺麗だった



そういえば…



よく空見てたよな……





空をドレスにするなんて、舞美すげぇな





「花山先生が、どこからか拾ってきた
マイさんが、デザイナーだけでなく
スタイリストとしても成功したんだ
生まれもったセンスだとは思うけど
やっぱり羨ましいよ!
先生のアシスタントとして、学んだこと」



「ですね……
俺は、先生のアシスタントになっても
こんな発想出てこないだろうな」




ドレスのかたちも、生地も

バランスとれて、綺麗な空になる



計算されているセンスだ






知ろうともしなかった舞美の高校生活





必死に勉強したんだろうな