しゃがみこんで震える。

ただ、怖くて、悲しくて、寂しくて。

手から滑り落ちたビニール傘が転がっている。

傘を無くしたわたしは雨に打たれて。

フラッシュバックする光景に怯えていた。


♪~♪♪

急に流れ始めた音楽。

遠くから聞こえるようだったその音が、どうやら近くで鳴っていると気付くと、はっと目を見開く。

音の発生源は、わたしのスマホで。

カタカタと震える指でそれを取り出す。

祈るように、画面を見る。



ー着信 咲真