「はぁ...」


しかも相手は私に...ハルキに会ったことがある、五人。


私ってつくづく運がないなぁ...。


ハルキを辞めてから、周囲の人と縁を切るため、


そして場所を知られない為に


一年前、わざわざここまで引っ越したっていうのに。


...まぁ、正しくは、逃げてきた...なのかもしれないけど。


家族の気配はまだ残ってるのに、


ただいまと言っても返事はかえってこない家。


ひとりで住むには大きすぎる一軒家。


...そんな、私の生家はまだ引き払わずに、


ただぽつんと誰に住まれることもなく、今だあの街にある。


必要最低限の物だけ持って、あの家を飛び出した時、


名残惜しさよりも、心配な気持ちよりも、安心した気持ちが強かった。


過去を捨て、タダの女子高生になることは


想像より全然難しかったけど、


...あの頃よりは全然楽だ。