「...待てって」
どこうとすると、手首を掴まれて、グイッと引き寄せられる。
「なっ...」
「お前は、誰だ?」
私はすっぽりこの人の腕の中。
「...えっ?あ、如月 咲─キサラギサク─、です。...あなた達のお名前は...?」
そう、この男の人と、さっきの慌てた声の主(誰かは不明だけど)
以外に3人、つまり全員で5人男の人がいた。
そしてこの人以外の人は、あの...?などボソボソ話していた。
「この前入学式で自己紹介した」
え、あ、転校生か。
「ごめんなさい。私入学式の時寝ちゃってて、聞いてなかったんです」
驚いたような表情をする彼らに、あ、でも。っと付け足す。
「改めて自己紹介しないで結構なので。えと、それじゃあ...」
腕の中から抜け出そうとすると、また戻された。