「...桜、登れるかな?」 どうでもいいことをふと思いたった。 足場によさげな突起した部分がいくつかあるし、登れなくはないはず。 ...頑張れば。 それに、わりと高めの場所に幹が何本にも別れているところがあって 私1人くらいなら余裕で寝転がれそう。 ...やってみるか。 「んしょっ」 太めの枝や幹の突起に手足をかけて、体を持ち上げる。 案外するすると上まで登れた。