「空に蝉でうつせみっていうんです。
そういう名の暴走族に所属していました」
...暴走族...
この優しげな顔と暴走族...
「ちょっと想像つかないです」
「ですよね。私が言うのもなんですが、割と有名なんですよ。
ご存知ありませんでしたか...少し意外でしたね。
ここも分類で言えば、割と不良校の類に入ると思っていたんですが...」
「なんか、すみません」
「いいえ。このご時世です。族と関わりたくない人は結構いますよ。
...それに、知らないでいてくれた方が好都合です」
「なんでですか?」
少しだけ切なげな目をする佐倉さん。


