cherry blossom




「ご、ごめんね!咲ちゃん玲生はもともと口悪くて!


和泉はたんに愛想がないだけだから!えっと、じゃね!」


あわあわとフォローをすると、


結城くんはフードを被っている人と一緒に3人を追いかけた。


「あ〜ぁ〜チャンス逃しちゃったね〜咲ちゃん」


残ったのは茶髪の人。


「せっかくオヒメサマになれたかもしれないのにな」


「オヒメサマ...?」


「そ!オ・ヒ・メ・サ・マ♡


ま、和泉が気にいるかどうか次第だけどな〜


見た感じさっきまでは、君のこと興味もってたっぽいけど。


なりたくないわけ?オヒメサマになれば


イケメンに囲まれてうはうはなのに」



...私の後ろで2人がコソコソと、話しているのが分かる。



「...別に興味無いよ...それより、みんなを追わなくていいの?」



「俺?俺はいーの。君みたいな可愛い子と話してたいんだ」


眼鏡のおくでニコッと微笑んだ。


私の後ろで小さく、黄色い悲鳴が聞こえた。




「...やっぱり、似てるなぁ...」


私が小さく呟いた事に、彼は全く気づいていなかった。