cherry blossom





...








「...高嶺、くん」


「なんだ?」



「...神奈子と、夏稀も一緒ならいいよ」


「...は?俺はお前だけを誘ってんだけど」


「...じゃ、行かない」


じっと上から見下ろしてくる高嶺くん。


私は高嶺くんの視線からのがれるように、顔をそらす。


しばらく、無言になってから、私からすっと目をそらした。



「...じゃあお前も来なくていい」



くるりと私に背を向けて、高嶺くんはスタスタと歩いて行った。




「なーんだ...結局意気地無し?

もっと芯のある子だと思ってたのにさー...


それに、なにそのグロス。キモい。

メイクしないとか嘘つくのやめてよね。


...信じちゃったじゃん」





灯くんは、チッと1回舌打ちをすると、


赤い髪の人と高嶺くんを追うように歩いていった。