隣に住むのは『ピー…』な上司

やっぱりと思いながら、留守電に入ったメッセージを問い合わせた。


『話がある。今夜また電話する』


耳に残る声に胸が焦がれた。

自分の思う以上に課長の部屋が広がっている。



ダメだと言ったのに何故こんなことをする。

一体何の話があるって言うの。
  

掻き乱すだけなら止めておいて。

私をそっとしていて欲しいーー。



課長の声を再生して聞き直した。

そんなことを繰り返す時点で私の心は決まっている。


どんなに否定してもムリだ。


私は小日向真史さんを好きになっている。



(いつから?)


思い出すのも切ない。

多分、泰明が二度目に尋ねてきた時からだ。

課長の胸になら安心して飛び込めた。

ピーチを可愛がる課長になら自分を預けていられると思った。


踏み出した歩みは止めようとしても難しい。

課長のことを知りたいのならきちんと話を聞いてみないと。


例えば、それがどんな地獄に落とされることになっても、既に課長を受け入れる準備は出来上がっている。


後は心の間口を広げて彼を呼びさえしたらいい。


「ピーチ」と小鳥を読んだ時のように、

「真史さん」と優しくーーー