「……スタントマンじゃなくて、本物の『二号』をやりたいって?」
まさかまさか、と思いながら訊ねると、ユリアはにっこりと笑った。
「はい~。そうしたら、エージェント引退しようかな~って。ライくんと一緒にいる時間も増えますし~」
「し、知って……」
「もちろんですよ~。ライくんだって私のこと知ってたでしょう~?」
「そりゃ、知ってた、けど……」
「愛しのダーリンのお仕事くらい、ちゃあんと把握してるんです~」
「……そうか」
隠していたつもりが、ライダーの正体はバレていた。恥ずかしさもあるにはあるが、ユリアが『麗龍のことだから』知っていてくれたことが少し嬉しい。
これならもっと早くに話しておけば良かったな、となんだか肩の荷が下りたような心持ちだ。
それからふう、と息をつきながら頭を掻き、「うーん」と唸る。
「でも、エージェント、引退でいいのか? ……お父さんの遺志継ぎたかったんじゃないのか?」
そうだろうと思ったからこそ、危険な仕事をする彼女を黙認していたのだが。
「……知っていたんですかぁ」
「そりゃ、愛するハニーのことなら、ちゃんと把握してるさ」
「……ダーリーン!」
少し照れたようにそう言う麗龍に、ユリアは感極まって抱き着いた。
「いいんです。ライくんと仲良く一緒にいることの方が、きっとお父さんも喜んでくれます……!」
「……そっか。なら、いい。今度お父さんの墓参りに行って、ちゃんと報告しような」
「はい~! ライくん、大好きです~!」
ユリアが麗龍の頬にキスをして、麗龍もお返しにユリアの頬にキス。
それを目の前にして、どうしたらいいのか分からないティーダが赤くなりながらオロオロしている。
頼むから二人の世界から帰ってきて、と願いながら、ティーダはテレビから流れてくるテンジンライダーのテーマを口ずさむのだった。
というわけで、日曜の朝8時から『テンジンライダー』の放映が始まるよ。
みんな、よろしくね!
◇
このお話は、フィクションです(笑)
テンジンライダー二号、誕生しました。
まさかまさか、と思いながら訊ねると、ユリアはにっこりと笑った。
「はい~。そうしたら、エージェント引退しようかな~って。ライくんと一緒にいる時間も増えますし~」
「し、知って……」
「もちろんですよ~。ライくんだって私のこと知ってたでしょう~?」
「そりゃ、知ってた、けど……」
「愛しのダーリンのお仕事くらい、ちゃあんと把握してるんです~」
「……そうか」
隠していたつもりが、ライダーの正体はバレていた。恥ずかしさもあるにはあるが、ユリアが『麗龍のことだから』知っていてくれたことが少し嬉しい。
これならもっと早くに話しておけば良かったな、となんだか肩の荷が下りたような心持ちだ。
それからふう、と息をつきながら頭を掻き、「うーん」と唸る。
「でも、エージェント、引退でいいのか? ……お父さんの遺志継ぎたかったんじゃないのか?」
そうだろうと思ったからこそ、危険な仕事をする彼女を黙認していたのだが。
「……知っていたんですかぁ」
「そりゃ、愛するハニーのことなら、ちゃんと把握してるさ」
「……ダーリーン!」
少し照れたようにそう言う麗龍に、ユリアは感極まって抱き着いた。
「いいんです。ライくんと仲良く一緒にいることの方が、きっとお父さんも喜んでくれます……!」
「……そっか。なら、いい。今度お父さんの墓参りに行って、ちゃんと報告しような」
「はい~! ライくん、大好きです~!」
ユリアが麗龍の頬にキスをして、麗龍もお返しにユリアの頬にキス。
それを目の前にして、どうしたらいいのか分からないティーダが赤くなりながらオロオロしている。
頼むから二人の世界から帰ってきて、と願いながら、ティーダはテレビから流れてくるテンジンライダーのテーマを口ずさむのだった。
というわけで、日曜の朝8時から『テンジンライダー』の放映が始まるよ。
みんな、よろしくね!
◇
このお話は、フィクションです(笑)
テンジンライダー二号、誕生しました。