勇者と魔王。

 正確には、『偽りの勇者』と『悲劇の魔王』。

 かつての仇敵同士の名前がつけられた武器を所持するシオンと花龍。だから仲良くなれないのでは、と思ったのだが。

「でも、シオンと花龍ちんの武器は、おじいちゃんがつけてくれた名前だよ? そんなことないと思うけどなぁ」

 野菊は言う。

「そうかなぁ?」

「確かに勇者と魔王は敵同士だったのかもしれないけど、でもランスロットは『真の勇者』となったグリフィノーの力そのもので、アルトゥルスはおじいちゃんと戦ったけど、最後にはおじいちゃんとおばあちゃんを助けてくれた人でしょ?」

「うん、父さんがそう言ってた」

「だから、その名前をつけられた剣と魔銃は、シオンと花龍ちんを絶対に護ってくれるもので、仲良くなれる武器だよ。人も精霊も魔族も、みんな仲良しになって欲しいって、おじいちゃんがそう願ってつけてくれたんだから」

「そっかぁ……。じゃあ、きっと花龍とも仲良くなれるよね?」

「うん、大丈夫だよぉ」

「明日もがんばって話しかけるね!」

 元気にそう言うシオンに、野菊も笑って頷いた。











 本編ネタバレの嵐でごめんなさい。

 まあ、大丈夫だよね?(適当)