ポプリ

 リプニーがかわいらしいのでつい忘れがちだが、先生は大人なのだ。念のために言っておくと、シオンも一応、こちらの世界では大人扱いだ。結婚も出来る年齢なのだ。向こうの法律では無理だが。

「いや、愛に年の差は関係ないんだ」

 自分に言い聞かせるように呟くと、シャンリーが大きく頷いた。

「だよねだよね、じゃ、そゆことで問題はないね」

 あれ、なんで上手く纏められてんの、とシオンは頭を抱えた。それから気を取り直して会話を続ける。

「いや、でも、アイツはちょっと、影があるというか……」

「馬鹿だなぁ兄上は。そこがいいんじゃない。超有能な非の打ちどころのない兄と、女神のような姉に囲まれて育って、ちょっとコンプレックス持ってるところがかわいいんじゃない」

「そ、そういうもんか……」

「そういうもの。母性本能がくすぐられるの」

「そうか……俺はてっきり、麗龍かと思ってたけど」

「麗龍は弟! あんな手のかかるヤツ、旦那にはしたくないよ」

「えぇ……だって、7歳だしな? そんな決めつけはかわいそうだろ」

「同じ年の男なんて子どもっぽくてダメダメ。包容力のある年上がいいの」

「コンプレックス持ちの男はいいのか」

「分かってないなぁ兄上は。年下の女に弱みを見せまいと虚勢を張る男の、ちょっとした心の隙に入り込んでよろめかせるのが楽しいんじゃない」

「シャンリー、お前凄いな。凄いけどそんな恋の駆け引きする7歳妹を持った兄ちゃんはどう反応したらいいんだ」

 シオンはシャンリーの肩に手を置いて、割と真面目に問いかけた。どうしてそんな風に育った、我が妹よ。