初等部三年生になったシオンと花龍に、それぞれ妹と弟が出来た。

 二人は同じ日に生まれたのだが、その弟妹たちもまったく同じ日に生まれてきた。何この偶然。シンとリィの双子パワーか。

 改めて早川家で子どもたちのお披露目会をしたリザ=ユグドラシェル夫妻(つい最近皇族家の一員となり姓が変わった)と早川夫妻は、ちょっとだけ気まずげな笑みを浮かべている。


 そんな両親たちからは少し離れたところで、首も据わり、ハイハイも出来るようになった妹を抱っこしているシオンは、むう~と頬を膨らませた。

 その目の前で、小さな手でほっぺをペシペシ叩いてくる弟を抱っこしている花龍も、むう~と頬を膨らませた。

 シオンが抱っこしている妹はシャンリーと言い、サラリとした桃色の髪に、くりくりとした大きな深海色の目をしている。

 花龍が抱っこしている弟は麗龍(らいと)と言い、艶のある漆黒の髪に、宝石のように輝く翡翠色の目をしている。

 どちらも実に愛らしい赤ちゃんである。

 同じような小さい存在が気になるのか、シャンリーと麗龍は興味津々にお互いを見ているのだけれど、それを抱っこしているお兄ちゃん、お姉ちゃんは何故か睨みあっていた。

 そして二人は同時に叫んだ。

「「ウチの妹(弟)の方がかわいい!!!!!」」

 いやウチのが天使だ、いやウチのが最強だ、と言い合うシオンと花龍を遠目に見ていた両親ズが、

「いや、そんなことで言い争うお前らがかわいいぞ」

 なんて呟いていた。











 大の仲良しだった二人が、初めて喧嘩した出来事。