「あっ、お嬢! 今お助けしやす!」

 それを巻之介が大慌てで追いかけていったので、豆太郎は助かった。

「うう、痛いよぅ……」

 BB弾を当てられてメソメソしていると、物陰からコソコソ移動してきた小さい二人組が目についた。杏色の髪の少年と、ふわふわ胡桃色の髪の少女だ。

 手を繋いで移動していた二人は、豆太郎に気づいて足を止める。

「ねぇ、そんな目立つところにいたら、あの白い龍に見つかってぶっ飛ばされるよ」

 少年がそう言い、三人で手を繋いで物陰に隠れる。

「……狸さん、また怪我したの?」

 少女がこてん、と首を傾げながら訊いてくる。

「は、はい、恥ずかしながら」

 豆太郎は頭を掻きながら笑った。すると少女が人差し指をくるくると回して、以前のように碧色の光を放つ魔法陣を浮かび上がらせ、傷を治してくれた。

「もう怪我しないでね」

「はい、ありがとうございます」

 礼を言うと、少年と少女はまた手を繋いで物陰から物陰へ移動していった。

「あの白いのに真正面からはダメだ。罠を張ろう」

「ドリアードの罠でいいかな……」

「いいね、転ばせた隙に弾を撃ち込もう。どっちが多く当てられるか競争だよ」

「銃の腕なら負けないもん」

 うしし、と笑う少年に、ふわふわと笑いながらついていく少女。どうやら白い鬼さんとやりあう数少ない生徒らしい。

「お気をつけてー」

 豆太郎は小さく手を振って見送り、そうして自分も巻之介のように主人を護りに行こうと、冬樹の姿を探して移動していった。










 いつの間にやら少し仲良しになっているシオンと花龍。