(何を迷ってるの!時代なんて関係ない!目の前の苦しんでる人を助けずして何が医者だ!


医者であることをやめたら私には何も残らないじゃないか!)



私は庭に飛びだした。


それに気付いた土方さんは追いかけてくる。


「おい!何をやっている!」


私が逃げると思ったのか怖い顔で怒鳴ってくる。


そんな土方さんを無視して、ここに来た時に一緒に来てしまった医療道具を拾い上げる。


両手で抱え込んで振り返る。


「土方さん、清潔な布をできるだけ多く、それからお湯を持ってきて下さい!」