「しっかりするんだ!」


近藤さんは斬られた隊士に呼びかける。


私は迷っていた。医者であるなら助けるべきだ。だけど、本当に良いのだろうか…


本来なら私はここに居るはずのない人間。


無闇に歴史に関わってしまう事をしたらいけないのではないかと考え込んでしまった。


そうしている内に隊士は隣の部屋に運び込まれ、原田さんが連れてきた山崎さんが傷を見ていた。


「…駄目です。ここまで深いと止血が出来るかどうか…。出来たとしてもこの傷を塞ぐことは…私には出来ない」


皆が悔しそうな、悲しそうな顔をする。