「普段は持ち歩かないんですけどね、 怖がらせちゃ悪いと思って持ってきましたよ」 男が差し出したのは名刺で、 そこには”佐倉 十史郎”という名前と、 連絡先だけが印刷されていた。 「さくら・・とおしろう?」 「いかにも。 本日付で、あなたに仕える執事となりました。 今日から、よろしくお願いいたします」 「え・・」