明音side
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もうこんなジメジメとした空気にはうんざりだった。

部活を抜け出した。
練習について行けなくなった。
あれから部室に行くこともなくなったうちは、楽器屋さんに行き 壁にはってある掲示板を見ていた。

『ベースとギター募集中!一緒にバンドやろうぜ!!』

『ボーカル募集中...メンバー...』

部外で活動しようと思った。そのほうか楽だ。
でもなかなか いいバンドが見つからない。音楽性も合わないとこばっかりだった。
今日も見つからなかったか...。
そう呟いて 帰ろうとした。その時 聞き覚えのある声で話しかけられた。

「あ、明音...。」

彩音だった。

「彩音...?」

彩音も同じ掲示板を見ていた。
そして彩音も同じことを思ったのか質問してきた。

「明音、いいバンド見つかったの?」

「いやぁ......。」

曖昧に答えてみる。

「私は...見つけた。」

「え?!彩音......」

戻らないの...?そう言おうとした。しかし彩音の声にかき消される。

「私 戻らないから。あそこは、私の居場所じゃない。」

そう吐き出して 行ってしまった。