「 翠____ 」


冷たさを感じる低い声で翠の名前を呼ぶ男の人の声。


正面を見ると4、5人の集団の中で翠を見続ける1人の爽やかな少年。


もしかして…


隣にいる翠の表情を見て確信に変わった。


この人が、元カレの先輩の慎吾さんだ


「 綺帆行こっ 」


何か言いたそうな先輩を遮るように、あたしの手を無理やり引っ張ると先輩とは逆の方へ歩いていく。


しばらくすると翠の足が止まった。


「 あの人が先輩だよね…? 」


「 …そう。あのクソ男マジでキモい!気安く名前呼ぶんじゃねーよ!!! 」


でた、たまーに現れる悪魔の翠…