海人が学校に行っている間、美蘭は仕事に行く。
「美蘭ちゃん、それよろしくね。」
「ちゃんは余計です。」
俺は大工関係の仕事をしている。詳しく言うと、道路工事、建物も簡単なことであれば修理を任されたり、こんな感じで仕事をしている。まあ、二十歳なりたてだから、可愛がられている。でも、俺は女の子の名前だし、顔も、目は猫目。女の子のような顔が嫌だった。でも、そんな俺にも弟ができた。七歳のときだった。海人という名前も俺がつけた。海のように心が広い人になってほしいから。
海人は良い子に育った。その反転、
俺は、中学生になってから荒れ始めた。数々の不良を倒し、ましてや不良グループの番長までになってしまった。
でも、海人の世話はたくさんした。お母さんやお父さんが仕事に行っている間に家事もした、小学校の送り迎えもした。

海人は、俺にとって、かけがえのない存在だ。
俺が十七歳のころ、海人と公園に遊びに行くとき、お母さんが俺にこう言った。
「行ってらっしゃい」
このとき俺は知らなかった。お母さんの言葉は、行ってらっしゃいなんかじゃないと、

「逝ってらっしゃい 美蘭」

次の日、お母さんとお父さんが死んだ。ざまあねえな母さん。
天国で楽しく暮らしとけ。海人は俺が育てる。
「なあ、美蘭兄。なんか、寒いな。」
そうだな海人。でも、その寒いは、俺が

死んでいるから

なんだろうな。

なあ?母さん



長くなったね
気をとりなおして次は結仁!