トゲトゲの君と、グダグダの俺。


『大丈夫。出産には絶対立ち会うから!俺、応援頑張るから!』
『なにが大丈夫なのさ。頑張るのは私なんですけど』

なんとか励ましたくて送った言葉に、なんとも君らしい冷静な返事。

『それより、引っ越し先ちゃんと探してくれてる?』
『う』
『うって、何』
『住宅情報誌は買った』
『買っただけかよ』
『てへ』
『……』

三点リーダーだけのメッセージに、君の怒りが伝わってくる。だらしないことがダイキライで、何事もきちんとしておきたい君を、俺はまた怒らせてしまったらしい。

『ごめん、ちゃんと探すから。あんまり怒ったら胎教に悪いよ』
『誰が怒らせてんのさ』
『俺』
『わかってるなら、もうちょっとしっかりしてよ』
『ごめん。愛してる』

指先で愛の言葉を打つと、既読のマークがついたまましばらく返事がこなくなった。