枕の下に隠したその写真は、半年ほど前にリュウトと会った時に撮ったものだ。

アキラはリュウトがロンドンから帰国してすぐの頃に一度会って以来、ユキはリュウトがロンドンに行く前以来の再会だった。

その時、リュウトとユキ、アキラの3人で居酒屋に行った。

リュウトとユキは同窓会帰りで、デジカメを持っていたユキが、久しぶりに会ったから写真でも撮るかと言い出し、3人で撮ったり2人ずつ撮ったりした。

大人になってからは写真を撮る機会はほとんどなかったので、一緒に写真を撮るのは本当に久しぶりだった。

その時リュウトが撮った、アキラとユキが肩を寄せ合って笑っているツーショット写真が、枕の下に隠したそれだった。

3人で会ってから数日後、プリントした写真をユキから受け取った。

それからアキラはユキと写ったその写真を、カンナが来ている時は裏返してベッドサイドの目立たない場所に置いていたが、ユキと会わなかった日の一人の夜はいつも、ユキのことを想いながら眠りに落ちるまで眺めていた。

それをアルバムにはさんだのは確か2ヶ月ほど前、一緒に酒でも飲もうと急にユキが部屋に押し掛けて来た時だ。

前日の夜、寝る前に眺めていて枕元に置いたままになっていたのを隠そうと、ベッドサイドの引き出しにでもしまえばいいものを、慌ててしまいなぜか咄嗟にアルバムの間にはさんだ。

その後、ストーカー騒動があってユキが部屋に泊まったり、カンナが部屋に来る機会が増えたりしたのでそのままになっていた。