どすどすと遠ざかる足音。
ボクは、紅茶に口をつける…ほう…温度・香…ボクの家の爺やとまでは行かないが電気ポッドで沸かしたにしては上出来だ。
「人は見かけによらないとは正にこの事だな…」
きっと、家の爺やもボクと同じ小学生がこれを入れたと知れば驚くだろう。
ボクは、冷えた体で紅茶とクッキーを堪能しながら辺りを見回す。
なんの変哲もない一般家庭の台所。
強いて言えば、こざっぱりとしてものが少ない。
必要最低限の装備のこの食卓テーブルに食器棚とガスコンロと冷蔵庫。
ソレと、廊下や玄関と同じ『新しい匂い』だ…ここもリフォームしていると言う事はこの家の室内はほぼ改装済みという事かな?
年季の入った家だから、そうと手がかかった事だろう。
ヴヴヴヴ…ヴヴヴヴ…!
それは、ボクが冷える前に飲み干そうとくちを付けた時だった。
スカートのポケットが震える…ぁ、スマホ…きっと、爺やだな。
ボクは、慌てて紅茶を飲みポケットからスマホを取り出そうとしたが___ツルッ!
