ことっ。
「これ、クッキー美味しいから食べてね」
席につくと、彼女は丸い菓子箱をすすめる。
「…紅茶の葉のクッキーかい?」
「うん! 知り合いの喫茶店のものなの! 紅茶もあるから少し待ってね!」
嬉しそうにもそもそと台所の電気ポッドのスイッチを入れる彼女…知り合いの喫茶店…やはり、そんな事だろうと思った。
ボクは、勉の部屋からみた後景を思い出す。
あーあー、やはり彼女はシロだよ勉…手掛かりにはならない…幸いにもね。
けど、困った。
だとしたら殿城や友彦は一体どこに?
二つの事件は全くの別物なのか?
やはり、大人の犯行でボクらじゃ太刀打ちできないと言うのか?
「月島さん、紅茶入ったよ」
「ああ、ありが____へぷっちっ!」
どうやら少し雨に打たれ、体温が下がったのか寒気がする。
「あ、大丈夫? そう言えば濡れてる…まって、タオルもってくるから!」
「え? いや、このくらい…」
ボクが断りを入れる前に彼女は、台所からさっさと出て行ってしまう。
「参ったな…対象に気遣われるなんて…」
全く今日は調子が悪い。
