トモダチつくろう

 俺は、立ち上がる事すら忘れて赤ん坊のように床を這う!

 「はっ、はっ、はっ、はっ、げん かん そとっ! そとにっつ!!」

 怖い怖い怖い!
 
 息が出来ない!!
 
 台所の戸をなんとか開けて廊下出た! 
 
 遠い!
  遠い!

 立てない走れないのが、目の前に見える玄関が遠く感じさせる!

 ガタン!
  ガタタタタ!!

 「なんでっつ?? なんであがなっつ???」

 転げ落ちるように玄関にたどり着いた俺は、すぐさま外に出ようとするけど開かない!

 「鍵っつ! 何だよコレっつ!? どうやって開けんだよっつ!!」

 何だコレ!?
 
 棒みたいのが刺さって戸が閉まってる!

 「抜けねぇ! 何でだよぉおお!!」

 ガンガン!

 「誰か! 助けて!!」

 ぎしっ。

 「とーもひこくーん♪」

 明るい声と錆びたハンマー。

 「ぁ」

 ぐしゃ。

 「あぐっ…」

 ぐしゃっ。
   ぐしゃ。
  ぐしゃ。

     べちゃ。

 「あーあー玄関が真っ赤……お掃除が大変だね♪」

 「ろ うひぃ て?」

 血まみれのゴキブリはにっこり笑った。