トモダチつくろう

 ずしっと、俺の肩に手が乗る。

 逃げなきゃ…逃げなきゃいけないのに体が動かない。

 目をそらしたいのに冷蔵庫の『トモダチ』から目がそらせない。

 「おまえ…お前がやったのかよ…?」

 「なにが♪」
 
 「手とかさぁ…頭とかさぁ…何でないんだよぉ!!」

 ここまで来てもさ俺は思ってた、願ってた、ゴキブリがやったんじゃないって!

 「うん! コレで要らないとこは切ったの♪」

 ざりっ…びよぉおおおおん…♪

 「だって、あの足も手も顔も私の欲しい物じゃなかったんだもん♪」

 肩に置かれた手がするっと滑って、俺の左手を触る。

 「ふふ…友彦君が足を怪我して良かった…バスケットなんてしてたらずっと突き指とか爪とかが割れてこんなにキレイに保てなかったもん…」
 
 「なぁっ…! 警察いこう…お前変だよ! 殿城に謝れよ! どうしてこんなことして平気なんだよ!」

 「アヤマル? ケイサツ?」

 ゴキブリはまるで壊れたロボットみたいに、俺の言葉を繰り返す。

 ざりっ!

 「う、ぎゃああああああ!!」

 肩! 肩が!! 削られた!?