ちょん。
げっ!
鍵を渡す瞬間、俺の指先がほんのちょっとだけ固いめくれた皮に触ってしまった!
にたり。
てかてかの髪の割れ目から笑う唇。
「…じゃ、かえしとくね…気を付けて帰ってね…」
そう言って、もそもそ丸い背中が去っていく。
「気持ちわりぃ…」
それは素直な感想だ。
「こらこら、手伝ってくれた子にそれはないだろう?」
突如背後からした声に俺の心臓が跳ねる!
驚いて振り向くと、背後にいたのは高島コー…先生。
ぽこっ。
高島先生は、筒状に丸めたポスター見たいので俺の頭を叩く。
「…すんません…」
「謝るのは俺にじゃないだろ? あの子にだろう?」
高島先生のいう事はもっともだ…俺は、ゴキブリに…アイツにちゃんと礼を言わなきゃ…いや、謝らないと…無視してごめんって、知らないふりしてごめんって…。
「高島コーチっ、じゃなくて先生…俺ちゃんとするよ!」
「ああ、そうすると良い…お前があの子の友達になってやれ」
俺は『ハイ!』と答えて杖をついた。
