トモダチつくろう


 「…別に…ちょっと家の手伝いをしてたの…」

 「手伝いって、何てつだったらそうなるんだよ…?」

 ゴキブリはそっと俺の手をはなした。


 「ありがとう…すごくきれいだった…」
 
 「へ? ああ…?」

 
 放して腕をめっちゃガン見してくるゴキブリ。

 キモイ。

 つか、手がきれいとか言われても微塵も喜べないし!

 俺は、ゴキブリの提案どおり先に倉庫をでて教室にむかう。


 これ以上、ゴキブリに関わるのはアウトだ…いや、もうアウトなのかもしれない。

 そう思うと、もはや後悔しかわかないけど仕方ない…。


 ずきっ。

 う…なんだか足がどんどん痛くなる…そう言えば痛み止めは教室だったか…?

 ずき。

  ずき。

 「だ、駄目だ…いてぇ…!」

 俺は自力で階段を上がるのは諦めて、保健室へ向かう。

 
 「ちっ…先生いないのかよ…」

 ドアに掛かる先生不在の札。

 諦めて教室に戻ろうとした時だった。

 「どこ行ってたの? 友彦くん」

 背後からの声に背筋がビクッと跳ねる。

 「ともこ…」

 誰もが可愛いと認める顔が俺の後ろで笑ってた。