トモダチつくろう

 「…い、嫌だったら言って…ね…?」

 差し出した俺の腕…手の平に震えるゴキブリの右手がまるで壊れ物でも触るみたいに触れる。

 ざらっ。

 え?

 触れてきたゴキブリの手の感触に、俺の背筋にぞわっと一気に鳥肌が立つ!

 「…っ!」

 びっくっと俺が手を引っ込めると、ゴキブリはすまなそうに顔を伏せる。

 「ご、ごめんなさい…私の手、今豆だらけで…潰れて皮がむけて…気持ち悪よね…」
 
 「い ぁ…」

 ふるふると震えるゴキブリの手は、あちこち皮がずる剥けて痛そうだ。

 「…ちょっとびっくりしただけだ、変なもんじゃないなら…」

 俺はもう一度を手を差し出す。

 おずおず伸びた手がさすさすと、触れてくる…ざらざらで感触がキモチワルイ。

 ゴキブリは、まるで形を確かめるように手の平の裏表、指の長さ爪の形なんかをなぞっていく…なんだっけ…こういうの確かなんて言ったけ?

 そうだ、フェチって言うって兄ちゃんがいってたっけ?

 まぁ、それにしても…。

 「お前さ…どうしてそんなに手が豆だらけなの?」
 
 俺の問いにゴキブリの手が止まる。