トモダチつくろう

え?

 コイツなに言ってんだ?

 どうして、『助けて』と言わない?

 「まぁ、担任が把握しているならいいだろう…すみ子先生も『あの件』で随分心を痛めているからな…丁度、倉庫からボールを出したから鍵は開いている机はマットの裏に積んであるからもっていきなさい。 持っていくのは一人分だな? ちゃんと自分で運べるか?」

 「はい、大丈夫です」

 それだけ聞いた高島先生は、『気を付けて運びなさい』とだけ言ってガラガラと体育館の中へと入っていしまった。

 「…おい…お前、なんで…?」

 「先生なんてなんの役にも立たないよ」

 ゴキブリは、体に似合わない可愛い声は無機質に言うとスタスタと備品倉庫へと向かう。

 「お、おい! 待てよ!」

 俺は、そのあとを痛む足を引きずりながら追いかけるがゴキブリは先程までのゆっくりとした歩みとは違いかなりの速足で俺を突き放しながら備品倉庫へと入っていく!

 がらっ!

 「まてっつてんだろ!」

 ひんやりとした薄暗い備品倉庫。

 ごのごちゃごちゃとした中にゴキブリが俯いたまま突っ立っている。