「すいませーん!」
俺は、息を切らせながら体育館のスライドドアをなんとかこじ開けて首を突っ込んだ。
中では、1組と2組が合同でバスケをしていた。
みんなゲームに夢中で俺の声には気が付いていないらしい…しょうがないな…。
「すんませーん!」
「ん? どうした? んん? 友彦じゃないか?」
背後から声。
俺は突っ込んだ首を引っ込めて、名前を読んだ声の方に振り向く。
「ぁ…高島コー…センセ…」
背後に立っていたのは、1組の担任の高島先生。
高島先生は、俺の所属するバスケ部のコーチで部活の時は『コーチ』と呼ぶことになっていたのでよく学校でも呼び間違えてしまう。
高島先生は、角刈りにジャージと言ったラフな格好で出欠用の黒いファイルでパタパタと自分を仰ぎながら授業中なのにこんな所にいる俺とゴキブリを見て眉間に皺を寄せる。
「お前ら、授業はどうしたんだ? サボりか?」
「ち、違います…あの、コイツの机が無くなったんで倉庫から貰えないかなって…」
俺の言葉に更に高島先生の眉間の皺が深くなる。
