トモダチつくろう

 「机はあきらめろ、予備なら体育館の備品倉庫にある」

 「…?」

 ゴキブリは、ポカンとした顔で俺を見る。

 「本当だ…俺、ここ最近背が一気に伸びたから机が合わなくなって備品倉庫から大きいのと交代してもらった…」

 「ど…うして…?」

 どうして教えてくれるのか?

 不審そうに眉をひ初めたゴキブリは、一歩下がって俺をじっと見た。

 だよな。

 今まで、ただ傍観していたクラスメイトの言葉なんて一切信用されるはずも無い。

 「…昨日の礼…家まで送ってくれて…だから…」

 「…」

 う…どうしよう、じぃいっとこっちを見てくるゴキブリを目の前にして『ありがとう』を言うタイミングが合わん!

 「…ちっ、ついて来いよ! 机無いと困んだろ!!」

 「…」

 なんだかバツが悪くなった俺は思わず背を向けて声を荒げてしまうが、ゴキブリは何とかついて来てくれているみたいだ。

 俺は、のろのろとした速さだったけどなんとか体育館へゴキブリを案内する事が出来た。

 どうやら、体育館は他のクラスの授業中らしくバスケットボールをドリブルする音が聞こえる。