トモダチつくろう

 かつ。
  かつ。
 かつ。

 俺は、ぎこちなく松葉杖をついて静まり返った廊下を進む。

 無論、保健室になど向かってはいない。

 これじゃあ、殿城の二の舞になるのは間違いないよな…全く俺としたことが本当にらしくない事をしている。

 ひょこひょこ階段を下りて、ある場所へ向かう。

 多分そこで間違いないだろう…なにせゴキブリはそこで上履きを燃やされた事がある。


 「いた…」

 片方だけの靴を履き、回り込んだ校舎の裏。

 ゴミを燃やす焼却炉の前に立ちつくす見慣れたずんぐりとした背中。

 本来、火をつけるのは用務員さんがいる時と決まっているはずなのに焼却炉の煙突からはもうもうと煙が上がる。

 遅かったっか…いや、此処に机を運ばせた直後には火をつけたと思うから…。


 「おい…」

 「?!」

 背後からの声に、ゴキブリはびっくっとからだを震わせゆっくりと振り向いた。

 「……とも、ひこく ん?」

 その顔は、ひきつり怯える。

 無理もない。

 ゴキブリにとっちゃ、クラスの人間なんて自分に危害を加える恐ろしい存在でしかない。