次の日。
「大丈夫かよ友彦!」
勉がギプスでがっちがちに固められた俺の足首を凝視する。
「ああ、試合は無理だけどな…」
「マジかー…お前が頼みの綱だったのによ~…」
がっくりと肩を落とした勉は、『しゃーねーよな~』とため息をつく。
六年生最後の大会だったのに、チームに迷惑をかけることになった俺は何も言えない。
全くもってめんぼくない。
「つか、お前その足でどうやって帰ったんだよ? まさか自力でか?」
勉そう聞かれて、俺はゴキブリに助けてもらった事を話そうと口を開きかけた丁度その時。
がらっ。
教室の戸が開き、タイミングよくゴキブリが登校してきた!
俺は、病院から貸し出されていた松葉杖をたより何とか席をたとうとする。
「お、おい、無理すんなって!」
勉は、急に立ち上がろうとよろけた俺にす慌てて手を貸す。
まだ、松葉杖になれてなくて上手く立てない…けど…礼を、ゴキブリに昨日の礼を言わないと!
玄関先まで俺を送ってくれたゴキブリ。
汗だくになりながら学年一背の高い俺の体重を一生懸命支えてくれたゴキブリ。
